白黒フィルムで残すこと
10枚に1枚でいいから白黒で撮って欲しい、と写真館の店主。そうか。この記事を読んで納得しました。
そう、カラーの写真も動画もうんざりする程溢れているんだから、たまの記念写真くらいは白黒で撮ろう。自分じゃちょっと心配だから、プロの方にお願いするしかないんだけど。これからの世代のカメラマンさん達、宜しくお願いします。「プロの武器」の1つとして、白黒フィルムでの記念写真を、是非!
(鳥取の写真館「かげやまスタジオ」店主にフィルム写真の話を聞く。商売の99%はカラープリントだという断りの上で、「残しておきたい写真」は白黒で撮ることを薦める店主)
陰山…自分でのこすものはすべて白黒です。お客さんのも白黒薦めててね。表に書いてある通り、葬儀写真も葬儀終わって捨てちゃえばいいんだけども、そのままよく鴨居に歴代のご先祖さんの写真飾りますよね。あれは絶対に白黒で撮らなあかんのですよ。カラーはどうしても太陽光が入ってきて10〜20年で色が変わっちゃうんで。白黒ですとね、普通にやってても2、30年持ちますし丁寧にやれば最低50年は持ちますからね。
藤本…なるほどー。
陰山…それでもカラーでって言われたらカラーでやりますけどね。でもとっておくことを考えたらね。インクジェットのデジタルはだめです。100年持つとか書いてあるんですけども、ガンガン冷房入れて、湿度落としてそういう、普段はちょっと寒い、みたいなところに置いておくともちますけども、普通じゃ無理ですよね。銀塩のカラー写真だって、一応今のは100年って言われますよね。だけど現実にはね、そんなことはないです。計算的にはなるんだろうけど。自分は商売でプリントの複写の仕事がどんどん来てて実感として分かるんです。
(中略)
影山…(中略)だから、まぁ、なんでもそうですけど、すべていい面、悪い面がありましてね。まあデジタルはそりゃあ、ある意味でいいですが、一歩間違うととんでもないことになるかも知れない。今みんながデジタルで撮って、自分で簡単にインクジェットプリントできますけども、やっぱり、それ、将来その子が親になったときには、色が完全に変わってたりすると思いますね。またプリントアウトして元を消去してることも多いでしょうし。で、デジタルの対局のものを考えた場合に白黒写真なんですね、今。
藤本…うーん、なるほど。
影山…カラーを飛び越えて白黒写真なんです。ですから、個人的には、何度もいうんですけども、自分のものは白黒でああやってのこしてます。
(中略)
影山…説明書にもちっちゃく書いてある。退色しても責任とらないようなことをちっちゃく書いてありますんで。で、カタログなんかも新しいのが出ると、その用紙が100年持つとか言ってるけど、現実に僕は100年持つと思ってませんし。100年プリントって10年くらい前に言われましたけど現実に前とそんなに変わってませんし、太陽に当てると1年で色が変わってしまいますから。結局お店のウィンドウがそれを証明するわけですよ。白黒ですと、色は変わりません。まあ少しづつ浅くはなりますけどね。
『Re:S Vol.2 〜フィルムカメラでのこしていく』2006.10.15発行