「笑顔の未来」展・新潟開催とFOR座REST大学
来たる6月5日〜17日の2週間弱、東中通のカフェ、マリールゥに於て写真展が開催されます。詳しくはWEBページを作りましたのでこちらをご覧ください。
→公式ページ:「馬場わかな写真展 笑顔の未来」新潟巡回展 in マリールゥ
今年の2月29日より12日間、吉祥寺のマクロビオティックカフェ・base cafeで企画・開催された写真展を、新潟でも開催していただくことになりました。
店主・奥津友吾さんが依頼した「笑顔の未来」というテーマに応え、馬場わかなさんが追った3組の姿。
福島県いわき市の郷ヶ丘幼稚園。
福島市から札幌に移住したあんざい果樹園の安斎さん一家。
逗子から沖縄に移りあたらしい暮らしを始めた根本きこさん一家。
写真に写っているのは、それぞれが覚悟を決め、選択し、未来の光に向かい、前に進んでいる「笑顔」です。
私たちが暮らす新潟でも、一人でも多くの皆様にその笑顔を届けられれば、とてもうれしく思います。〜新潟展開催にあたり〜
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今年の3月に、吉祥寺のbase cafeというマクロビオティック・カフェで開催されていた、カメラマン馬場わかなさんの写真展「笑顔の未来」が、新潟にやってきます。
吉祥寺での開催中、私はとても行きたかったのですがついに時間をとることができず、残念ですが諦めてブログの記事などを眺めていました。
→馬場わかな写真展 笑顔の未来 | ベースカフェ
→base life 男とマクロビオティック:馬場わかな写真展を終えて
ところが、3月末に泊まりがけで訪れたFOR座REST大学の会場で、思いもかけず巡回してきたこの展示を見ることになります。3.11後、それぞれの覚悟を持ちそれぞれの暮らしを続ける3組の姿。その姿を写真に収め、綴られた馬場わかなさんの文章。
この展示を見た時の気持ちを、未だにどう書いてよいか分かりません。写真の前で、しばらく動けなかったように思います。
安斎さんのTwitterはずっと見ていて、3.11後もはらはらしながら追っていました。3月に彼の書いた言葉が強く印象に残っています。今見つからないのでニュアンスだけですが、「とにかくみんな南に逃げよう。海藻を持って。後で何ともないと分かったら、その時お互いに笑いあえばいいじゃないか。まずは逃げよう」と。果たして放射性ヨウ素はその大半が3月中に福島以南の広大な土地を汚していました。初期のヨウ素剤の有効性は殆どアナウンスされないままに。気付いた時にはヨウ素汚染の殆どは終わっていて、すさまじい汚染を示すSPEEDIの数値が1ヶ月後に一部公表され「あなた方はこれだけ被爆しました」と伝えました。
根元きこさんの逗子のお店coyaが4月に閉店を決め、その想いが綴られた文章を、サイトで読んだ時の気持ちも忘れられません。「確実に何かが終わり、そして、何かが始まったのだと思います。」本当にそうなんだと思いました。皆が皆それぞれに、これからどう生きていくかを考えていかなくてはいけない。世の中がどうとか、何が正しいとか正しくないとか、そんなことはあまり意味がなくなるのだろうと、うっすらと感じたのを覚えています。自分たちは、自分達の家族は、自分たちですべてを判断し、どうするかを決めていく。そうやって生きていかなくてはいけない時代がはじまったんだと。
あれから一年、家族でも、社会でも、さまざまな事が論議されました。ありとあらゆる話が浮かび、あっとういう間に消えていったりもしました。そして、あの4月に感じた予感は、そのまま変わらずに今も確信として残っています。
展示されている馬場さんの文章も、本当に素晴らしいです(今回の新潟展では、展示されている馬場さんの文章をプリントでお持ち帰りいただけるようにします)。ああ、やっぱりうまく言い表せません。私がいくら言葉を労して書いたところであまり意味はない気がしてきます。呆然と、というか立ち竦んで、写真と文字から目を離せずにいました。
会場で馬場わかなさん、base cafeの奥津友吾さんをご紹介いただいた後、一旦ピーターバラカンさん他の講演を聞き、その後またお二人の姿を見つけた瞬間、後先考えないままお願いしていました。「この展示会、新潟でやりたいです。場所作りはオレやりますんで」
この展示を、新潟の仲間たちに見せたい。あまり遠くない時期に。という思いが自分の中で膨れ上がってきて、止められなくなっていました。
そうして今回の企画がはじまりました。やっとお披露目できて、本当に嬉しい。
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福島は最高に楽しかったです。馬場さん奥津さんに新潟巡回展をお願いした後は、F/styleの二人と奥津さんと一緒に福島のお薦めのお店、PICK-UPさん、BarnSさんを廻りました(民家園でのFOR座RESTの時はどうしても時間が取れず、お店には行けなかったのです)。本当は他にも廻る予定があったのですが、4人でのお店巡りがあまりに楽しくてついつい長居してしまいます。PICK-UPさんはなんと今年で30周年!!「福島の子達がお洒落な理由が分かりましたよ!」と奥津さんが言っていました。おしゃれショップに求める本当の意味での接客のレベルの高さ。居心地の良さ。ありがとうございます!!と。近くにこんな店欲しいなと。イヤ、このあたりから「福島市」あたりの「人」の気質というかひとの良さについて何となく感じていたトコロもありました。それは他のFOR座RESTスタッフさん達と接するにつれてどんどん確信に変わっていきました。福島市のそれこそフルーツラインの近く出身で仲の良い後輩が東京に二人いますが、彼らの性格の良さの出自を見る思いでした。
清山キャンパスに帰ってからはFOR座REST大学を堪能。ハナレグミ×長見順ライブ、極旨の蕎麦、地下Barでのピーター・バラカン&DJ MARCYによる「夜学」…。実はその3日前に救急病院に行くほど徹底的に胃腸をやられ「今日は呑めないかなぁ」と思っていた自分ですが、結局夕方から夜中まで呑みっぱなしでまったく悪酔いもしませんでした。どれだけ楽しかったか。大学時代に敬愛してやまなかったピーター・バラカン氏。彼が審査する、大学対抗のFM番組コンテストで優勝し、それをきっかけに番組を持たせていただいたことなど、怒濤のように蘇ります。彼の選曲したソウルミュージックがフロアに流れ、隣には同世代で同じくソウルミュージックを愛するナガツミさんが踊っている。こんなにシヤワセなことがありましょうか。奥津さんとともにトコトンまで楽しんだ夜でした。
FOR座REST大学は本当に、とっても楽しかったのですが、だからこそ、今後の福島の皆さんの生活や仕事のことを考えてしまいますし、2011のFOR座RESTが中止になったいきさつなどを伺い思うところも色々あります。何しろ私はFOR座RESTの大ファンでした。方向性は違うにせよ、にいがた空艸舎をはじめるにあたっても、その前に遊びに行った民家園のFOR座RESTには大きな影響を受けました(→当時のレポートへ)。一番大好きだった、心を落ち着かせてくれる自然が、森が、今は一番放射性物質をため込む場所になっている、その厳しさ。
そして、福島市を実際に廻り、普通に遊んでいた子どもたちを見て思うこと。ここに実際に来て初めて実感できる生活のリアル、自分と地続きのリアルを感じました。この地に残る人、避難する人、離される人達のことを思いました。
いずれにしてもお隣の県なのです。これからもお互いがずっと気楽に行き来できるようになれば嬉しい。そのお手伝いを是非していきたいと思います。そうそう、にいがた空艸舎は今年の秋には開催しませんが、来年になって早々の時期に開催しようと思っています。今度は、福島の人たちと一緒にできれば、嬉しい。そんなことを考えています。
「馬場わかな写真展 笑顔の未来」。
ぜひ多くの人に見ていただきたい写真展です。もしご紹介いただけるようでしたらWEBサイトへのリンクをお願いします。
また、5月中旬よりフライヤーの配布を始めますが、「ウチに置いてもいいよ!」という方などメールください!お届けに上がります。
何卒宜しくお願いいたします!!
公式サイト・エントリにあるように、期間中マリールゥでは特別メニューの提供に加え、base cafeのスイーツをF/styleのBOXに入れて販売します。そもそも私が最初にbase cafeの存在を聞いたのもマリールゥの鈴木氏からでした。子供連れで、しかもあまり外食に慣れていない我が家にとって、東京に行った時に吉祥寺にbase cafeがあることで、どれだけ助かっていることか。マリールゥもbase cafeも本当に素敵なお店です。何よりカニより美味しいから!今回の写真展の会場を頭の中で考えた時、最初に浮かんだのがマリールゥでした。実現してくれて、本当にありがとう。
まだまだ書ききれませんが、ひとまずここまで。
来てね!