新潟に北光あり:北書店オープン
(三島)〜前略〜例えばベストセラーならネットで全部買えちゃうわけですよね。離島でも二日後にはとどきますし。ですから、書店員はコンシェルジュ(特定の分野に詳しい案内人)みたいな感じになるのがいいのでは?今、年間8万冊新刊が出ていますが、8万冊の意味だとかこの地域この人に必要なものをちゃんと見聞きして提案をしたりだとかネットでは絶対出来ないコミュニケーションを取ってやるだとかそういう役割が必要なのだと思います。これまでは取りあえず店を構えて新聞を読んでたらお客さんが来る。でも今はもうそういうスタイルじゃないと思うんです。逆に書店員の意識が変わることでお客さんはついてくるんじゃないでしょうか。ああ、こういう本屋さんを待っていましたと。
(藤本)そうやねんなー。本に限らずだと思うんですけど、これだけ情報や色んなものが得られるようになって、選択していく時代じゃないですか。選択していく上でのプロフェッショナル、案内人みたいなものがやっぱり新たな職業として出てくるだろうなと。そこを意識した書店…チェーン店でも良いからそういうのがもっともっと出てきてくれると良いですよね。〜後略〜『Re:s No.9』 ミシマ社インタビュー「”自分でやる”から”一緒にやる”へ。」より
まずは真の書店コンシェルジュを目指して欲しい。お客様の読書カルテを作り、新刊、ロングセラーを取り混ぜて読書提案してはどうだろうか。よく店で何か面白い本ないかと常連さんに声をかけられることがあるが、これの拡大版だ。出会いの一冊となるか大きなお世話となるか、腕の見せ所だ。児童書は毎月1冊、オススメしてくれたら本好きになれそう。夢がどんどん広がるので英進堂でもやってみたい。とにかく期待しています。
英進堂ブログより
その後、アメリカの方々を旅して多くの本屋を訪ねてみると、おおよその本屋が、まさに「街のともしび」として、人々の暮らしの役に立っていることがわかった。
本屋とは、本を沢山売る事が目的でなく、その場所にたくさんの人や情報が集まって、そのことからたくさんの出会いがあって、たくさんの人が喜ぶべきものやことが発信されていく場所であると知った。もちろんそのためには、本が売れなければ困るが、それは店主の個性の表現であり、腕の見せ所でもある。店を訪れる人は、まずは店主の選んだ本を選びにくるのというのが目的としてあるので、心配はいらない。本を選ぶことは、店主と対話するのと同じことだった。
知りたいことがあったら、まずは本屋に行って聞いてみる。トイレに困ったときも本屋に行こう。旅をしていて、最初に訪れるのは本屋だ。そしてその街の情報を集めよう。本屋はその街のキーステーションであり、もっとも安全な場所。欧米では、これが旅人もしくはそこに暮らす人の合言葉だ。『暮らしの手帖vol.37』松浦弥太郎「こんにちは さようなら」より
携帯電話がすべての元凶だ。月に一万円の出費。その元を取るために何でも携帯で済まそうとする。あれのせいで趣味がどんどんなくなっていく。
友人のカメラマン
4月12日、新潟市役所の前に小さな書店がOPENします。旧北光社店長・佐藤さんのお店。
開店に向けて連日深夜に及ぶ打合せの中、「書店の立ち上げに関わることなんて、これが最後だよきっと」と笑いながら話してていた彼。
失われた習慣、失われた「場」の楽しみ。
代わりゆくこれからの書店の姿を、見届けたい。