旧齋藤家・夏の別邸一般公開を終えて

以前からお伝えしている「旧齋藤家・夏の別邸」。新潟市が買い取ってから初めてとなる(正式には未だ公社買い取りなのですが)一般公開が終わりました。一日目夜のニュースや2日目朝刊の1面に載ったこともあり、2日目の日曜日は、これまでにないすさまじい人出でした。人数が多かったので二階への入場制限を行ったことも輪をかけて、ご来場の方には最長一時間以上もお待たせすることになってしまいました。


c0168712_17415360.jpg私は2日目の日曜日にフルで参加していたのですが、会場一時間前、齋藤邸に向かう際にたまたま駐車場から一緒だったご夫婦が「三条から来ました」とおっしゃっていたあたりから、何だか今日はすごいことになりそうな予感がしていました。果たして。

いつもは午前中がピークで、お昼になるとある程度落ち着いていたのですが、この日は閉場の直前まで、遂に行列が途絶えることはありませんでした。

お客様には随分なご迷惑をおかけしましたし、とてもゆっくり見ていただけるような状況ではなく、せっかく足を運んでいただいた方には大変申し訳ない気持ちでいっぱいでした。ですがその気持ちとは別に、この望外のお客様を迎えて、私は何だかとても感動してもいたのです。

昨年の3回の一般公開は、いつなくなるか分からない齋藤邸を前にして、何とかしてこの魅力を伝え、残すことが新潟にとってどれだけの宝になるか伝えようと一生懸命でした。それに比べ今回は市の買い取りが決まってから初めての公開です。

なので勿論、その3回と今回とは、明らかにお客様を迎える気持ちが違っていたと思います。今回は、これから残っていく齋藤邸を皆さんに紹介できるという、喜びがありました。いくらお客様が多くてもパニックになりそうでも、どこか余裕がありました。

でもよく考えたら、私の「感動」はそういう所から来ていたのではなかった。昨年3回の公開と、今回の公開とでは、明らかに来場者の層が違っていた気がするのです。

昨年3回の公開は、やはりご年輩と、そして意外にも若者の姿が目立っていました。寄付金のみで運営している以上告知にも限界があり、その結果来場者も、ネット等で知った古い建物の保存に興味のある、若者や、口コミで知った方々に終始していたのかも知れません。いずれにしても皆さんある程度は「古い建物の保存」「旧加賀田邸の行く末」に関心のある、意識の高い方々が多かった気がします。だから我々スタッフは来場者の皆さんにいつも温かい言葉をかけていただき、励まされてきました。

だけどこの日曜日は違っていた。簡単に言えば、おそらく古い建物にも、その保存にも、普段はまったく興味のない方たちも数多く集まっていた。私たちが昨年どう願っても叶うことのなかったTV3社同時報道や日報1面、市報にいがたによる告知のおかげで、普通に観光地として、普通に「素敵なお庭」として、例えば桂離宮に出かけるような気持ちで来ていただいた方が本当に多かったのです。そしてそういった人達に「すごい、素敵だ」と言ってもらえた。

旧齋藤家・夏の別邸が本当に我々の「誇れる宝」となり得ること、その最初の実感だったのかも知れません。だから改めて感動したのでしょう。

何度も書いているように未だ問題山積みの同邸宅ですが、まずは残ることが重要です。
あとはそれから。まずは、めでたし。

※「余裕があった」とか書いておきながら、その晩は、寝ついたしょっぱなから押し寄せるお客様の夢にうなされて、飛び起きていました。